ニュースリリース
クルマ・技術
「マツダ 787B」がルマン優勝から20年ぶりにサルト・サーキットを走行
-6月11日(土)開催のルマン24時間レース本戦前にデモンストレーション走行を実施-
マツダ株式会社(以下、マツダ)が世界最高峰の自動車耐久レースであるルマン24時間レースで1991年に日本の自動車メーカーとして初めて、そして唯一の優勝を成し遂げてから本年で20周年を迎えます。この特別な年に、ルマン24時間レース主催者のフランス西部自動車クラブ(ACO*)からの招待を受けて、マツダはルマン優勝車である「マツダ 787B」をフランス・ルマンにあるサルト・サーキットに送り、6月11日(土)から始まるルマン24時間レースの開始前にデモンストレーション走行を行います。
本年の第79回ルマン24時間レースは6月11日(土)午後3時(現地時間、日本時間は同日午後10時)にスタートし、翌日6月12日(日)の午後3時(現地時間)に終了する予定です。マツダは、レース開始前の11日12時30分頃(現地時間)にサルト・サーキットで「マツダ 787B」のデモンストレーション走行を行う計画です。また、レース開始前日の6月10日(金)には、ルマン市内で行われる恒例行事、「ドライバーズパレード」にも同車で参加します。
「マツダ 787B」はルマン24時間レースに、日本車として、またロータリーエンジン搭載車として初めて優勝したクルマです。当時のグループCレーシングカー規定に沿って設計されたシャシーに、最大出力700馬力を発生する4ローター・ロータリーエンジンを搭載するこのクルマは、マツダとそのレース活動を担当したマツダスピードが共同で開発を行いました。当時のレース規定により1991年はロータリーエンジンがルマン24時間レースに参戦できる最後の年とされていましたが、マツダとマツダスピードはあしかけ18年におよぶルマンへの挑戦への末に悲願であった総合優勝を達成しました。この優勝は単にマツダだけによって達成されたものではなく、マツダスピードをはじめ、ドライバー、サプライヤー、その他すべての関係者による長年の努力の結果といえます。
「マツダ 787B」のルマンでのデモンストレーション走行の実施について、マツダの代表取締役会長 社長兼CEOの山内孝は次のように述べています。「マツダには『飽くなき挑戦』のスピリットのもと、自らが立てた大きな目標を達成するべく関係者全員、グループ全体が一丸となって進んでゆく企業風土がはぐくまれています。今からちょうど半世紀前の1961年に始まったロータリーエンジンの開発から1991年のルマン優勝までの道のり、そして現在の『SKYACTIV』技術の研究開発に至るまで、この精神は着実に引き継がれています。『SKYACTIV』商品を市場に送り出す2011年は、マツダおよびマツダグループにとって新たな転換期、マイルストーンの年となることでしょう」
デモンストレーション走行実施に当たり、「マツダ 787B」ルマン優勝車は1991年以降で初めての大掛かりな修復整備を受けました。通常は広島のマツダ本社内にあるマツダミュージアム(広島県安芸郡府中町)で展示・保管されている同車両は、当時のルマンプロジェクトに参画した経験を持つ現職マツダ社員と、(株)マツダE&Tのエンジニア達の手によってマツダ社内で整備されました。マツダ美祢自動車試験場(山口県美祢市)で行われたテスト走行では、社内テストドライバーに加え、往年のマツダ契約ドライバーである片山義美、従野孝司、寺田陽次郎も立会って性能確認を行いました。
また、本年のルマンでの20周年記念には、1991年のルマン優勝ドライバーであるジョニー・ハーバート(英国)の他に、長年に渡ってマツダチームでドライバーを務めたデイビッド・ケネディー(アイルランド)、ピエール・デュドネ(ベルギー)などの元マツダチーム関係者の参加が予定されています。
マツダは「マツダ 787B」の修復整備や、ルマンでのデモンストレーションの模様をFacebookやYouTubeのマツダオフィシャルページにて随時公開してゆく予定です。
* ACO: Automobile Club de l'Ouest
マツダFacebookページ: YouTubeマツダチャンネル: |